山の人びと ~移住者~
福岡市→三瀬村に移住
家探しの中で、空き家バンクの物件と出会い三瀬村に移住されたマツシタさんご夫妻。「住まいが変わると、こんなに生活が豊かになるのだと感じています」と嬉しそうに語るお2人の羨ましすぎる山暮らしを伺いました。
移住を考えたきっかけを教えてください
以前は福岡市西区で一軒家の5年定期借家(賃貸)に住んでおり、退去のタイミングになり、 住まいを探すことに。当初は、福岡市とその近隣自治体で探していて、「田舎暮らしがしたい」という気持ちや「三瀬村が良い」という特定のエリア指定はありませんでした。三瀬村は北部九州を移動するときに通過するくらいで。
そんなときにネットで佐賀市の空き家バンクの登録物件を見つけ利用者登録を行い、見学会、自治会懇談会のステップを踏んで家を購入しました。
家を決めた理由を教えてください
新築は考えておらず、 2 人で暮らせるくらいの平屋が希望でした。
田舎暮らしというと、 「茅葺き屋根」「いろり」「白壁造り」などをイメージしていましたが、現実的な面を考慮すると三瀬村は冬季は寒冷地なので快適に暮らせる家がいいかなと。
この家は、 ちょうど改修中だったので、途中から自分たちの希望を伝えてリフォームをしてもらいました。断熱を隅々まで施し、小さなキッチンは毎日料理をする妻のリクエストを入れて大きく、 お風呂は昔ながらの小さな浴槽でタイル貼りだったのでユニットバスに変えました。3LDK の間取りで気に入っています。
暮らしてみていかがですか
三瀬村で暮らしてからちょうど1年が過ぎましたが とても快適です。 住まいが変わると、こんなに生活が豊かになるのだと感じています。田舎での “当たり前”が新鮮です。まちでは小規模にしかできなかった野菜作りもできて食生活が豊かになりました。
家の脇では大葉やミツバ、パセリ、自生のたら芽、山椒が採れるのですが、 今まではわざわざ買っていたか、使わない調理で妥協していた食材。それらが家の周りに沢山あります。
今は、ちょっと摘んで料理に使うと一気にその料理が昇華します。新鮮な食材は彩りも香りも全然違うことに感動しました。 秋には栗がたくさん落ちてきて、 旬の食材を味わえるのも楽しみです。
あとは環境意識が変わりました。今まで食器を洗う際には当たり前に合成洗剤を使っていたのですが、生活雑排水として川に流れ最終的には海に排出されるので、目の前の豊かな環境に意識が向き極力、合成洗剤を使わなくなりました。
美しい自然は当たり前じゃない、この自然を受け継ぎ後に残す。大切にしないといけないなと思います。
通勤、病院、買い物などはどうされていますか?
仕事は以前と変わらず、福岡市内の会社に勤めています。三瀬村から車で 30~40 分くらいです。 渋滞もありません。 福岡市近郊から通勤に1時間前後かけるなら三瀬村からの通勤のほうが早いくらいです。冬場はスタッドレスタイヤに交換しています。
病院とお店は、 職場の近くにあるので仕事帰りなどに利用しています。 もちろん、 三瀬村のお店で商品を買うことも多々ありますよ。
暮らしてみて困ったこと、驚いたことを教えてください
山間部は湿度が高いことを知らず、家財がカビだらけに笑。今は除湿機や空気循環を意識した対策を行っています。
地元の方々は皆さん自家栽培の畑をお持ちですから季節の野菜や果物はあちこちから頂けます。無農薬で安全かつこれがまた美味しい。
あと、水は抜群に美味いです。ペットボトルをほぼ買わなくなりました。お茶、麦茶より蛇口からの水がいいくらいです。
これからの夢、ワクワクしていることを教えてください
自然の豊かさをもっと開拓したいです。 ここでは、何でもすぐ自然にできる環境にあります。 デイキャンプもすぐにできてしまう。 趣味となった土いじりも釣りも、 今まで以上に楽しみたいと思います。
こちらに住んでから、アシスト付きのマウンテンバイクを購入しました。三瀬村でのサイクルツーリングをはじめ、富士町や背振にも出かけました。 山暮らしをはじめてからよりアクティブになって生活スタイルが変わりましたね。
移住者さんとのごはん会で知り合った方のところへ遊びに行き、 茶摘みも初めて経験しました。 春は山菜採り、夏は川下りや水遊び、秋は栗拾い、冬は雪ソリなど、四季折々の‟環境”を楽しんでます!
ネットを見ると移住先でのトラブルなどネガティブな情報が上がっていたりしますが、ここはありません。ご近所の方みなさん気にかけてくださり優しいです。
まちにいる時は「何でもやってくれる」が故の受動的サービスでしたが、ここは届かないサービスもあります。隣保班(りんぽはん)で活動したり区役に参加したり、 自然と能動的に自ら動いて地域に入っていく感じです。 なので、都会のようにコミュニティプアにはなりにくいです。 「移住」と構えずに新しい環境に飛び込んでみてはいかがでしょうか。想像以上に豊かな暮らしが待っていると思います。
取材時:2025年10月
